2013 年 16 巻 6 号 p. 463-469
電子デバイス接合用はんだのひとつとして,低コスト化を図るために低Agはんだが提案されている。本研究では,低AgはんだのSn-0.7Cu-0.3Agを供試材として,まず機械的性質に及ぼす温度の影響を明らかにするために静引張試験を行った。さらに,電子機器内のはんだ接合部では熱膨張係数の差に起因して熱機械疲労の損傷が生じることから,253 Kから353 Kの温度範囲での熱機械疲労試験および等温低サイクル疲労試験を行い,破損寿命評価について検討した。引張側のひずみエネルギを考慮したパラメーターを用いることによって,Sn-0.7Cu-0.3Agの熱機械疲労および等温低サイクル疲労の破損寿命を良好に評価できる可能性が示唆された。