2013 年 16 巻 6 号 p. 484-491
はんだ実装前の最終表面処理として,基板の電極上には,無電解Ni/Auめっきや無電解Ni/Pd/Auめっきが施される。従来の無電解Niめっき皮膜中には,めっき浴中に含まれる微量添加剤由来の鉛が共析する。しかし,環境規制の強化により,無電解Niめっき皮膜の鉛フリー化が予想される。そこで,本研究では,鉛フリー無電解Niめっき皮膜を下地とした無電解Ni/Au,無電解Ni/Pd/Auめっきのはんだ実装信頼性を調査した。その結果,Niめっき皮膜の腐食,IMC層の性質(厚さ,成分,形状)などの複合因子がはんだ実装信頼性に影響を与えることが明らかになった。また,これらの因子は,鉛フリー無電解Niめっき皮膜中に共析した微量添加剤(ビスマス,硫黄)濃度によって変化することを明らかにした。