2014 年 17 巻 2 号 p. 123-131
近年,車載用半導体パッケージでは,高温環境下におけるはんだ接合部の疲労寿命低下が大きな問題となっている。本報では,高温劣化を考慮したはんだ接合部の疲労寿命予測精度の向上を目的として,高温保持後のはんだ接合部の機械的疲労試験結果から,高温保持条件と疲労寿命低下の相関について検討した。その結果,高温保持後のはんだ接合部の疲労寿命低下はCoffin-Manson則の疲労延性係数の変化で表わされ,アレニウス則を応用することで保持時間と保持温度から定量的に推定できることがわかった。また,温度サイクル試験の試験条件から推定した疲労延性係数を用いて,Miner則を応用して得られた疲労寿命予測値が試験結果とよく一致することを見出した。