2023 年 26 巻 1 号 p. 117-124
電子機器のサーマルマネジメントには,機器に搭載される電子部品の適切な温度管理が求められる。部品の温度は,実装先である回路配線パターンから基板を経由して筐体に至るまでの全熱抵抗に依存する。そのため,熱抵抗の測定技術の構築は急務である。測定には,低熱抵抗から高熱抵抗までの広い測定範囲への対応や,部品が実装される微細な配線パターン部を計測点にできることが求められる。この課題に対して,本研究では,熱抵抗の測定範囲が10.1~299.5 K/W,測定点サイズが□2.0 mmのテストヘッド式の熱抵抗測定装置を開発した。ここでは,熱抵抗が既知である□2.0 mmの試験片を用いて測定原理の妥当性と測定精度について検証した結果を報告する。