エレクトロニクス実装学会誌
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26 巻, 1 号
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巻頭言
特集/エレクトロニクス実装技術の現状と展望
研究論文
  • 山中 公博, 山田 晃大, 奥田 風優, 小笠原 拓海, 近藤 直希
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 26 巻 1 号 p. 110-116
    発行日: 2023/01/01
    公開日: 2023/01/01
    [早期公開] 公開日: 2022/09/21
    ジャーナル 認証あり

    パワーモジュールのはんだ接合部エレクトロマイグレーション(EM)が信頼性問題と認識されている。本論文では,高温はんだSn-3.0Cuを用いたCu/Ni-P/Sn-3.0Cu/Ni-P/Cu接合部のEM基本現象(175°C, 50 A/mm2)を明らかにする。リフロー後の電極界面には,厚くかつCuリッチな(Cu,Ni)6Sn5層と薄いPリッチ層が形成された。この構造的特徴が,カソード側でのEM起因の断線原因である(Cu,Ni)6Sn5層消失とPリッチ層成長を抑制することを明らかにした。

  • 青木 洋稔, 伏信 一慶, 富村 寿夫
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 26 巻 1 号 p. 117-124
    発行日: 2023/01/01
    公開日: 2023/01/01
    [早期公開] 公開日: 2022/10/15
    ジャーナル 認証あり

    電子機器のサーマルマネジメントには,機器に搭載される電子部品の適切な温度管理が求められる。部品の温度は,実装先である回路配線パターンから基板を経由して筐体に至るまでの全熱抵抗に依存する。そのため,熱抵抗の測定技術の構築は急務である。測定には,低熱抵抗から高熱抵抗までの広い測定範囲への対応や,部品が実装される微細な配線パターン部を計測点にできることが求められる。この課題に対して,本研究では,熱抵抗の測定範囲が10.1~299.5 K/W,測定点サイズが□2.0 mmのテストヘッド式の熱抵抗測定装置を開発した。ここでは,熱抵抗が既知である□2.0 mmの試験片を用いて測定原理の妥当性と測定精度について検証した結果を報告する。

  • 高木 道則, 堀内 義夫, 渡邊 充広
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 26 巻 1 号 p. 125-133
    発行日: 2023/01/01
    公開日: 2023/01/01
    [早期公開] 公開日: 2022/10/15
    ジャーナル 認証あり

    高周波帯に対応したプリント配線板の絶縁材料には,低誘電率,低誘電正接を有する必要がある。液晶ポリマー(LCP)はこの候補として各社で開発されている。しかしながら,LCPはめっき密着性が低い材料で知られている。LCPに湿式法でめっきを行う方法として,高温,高濃度のアルカリ溶液に長時間浸漬して表面を粗化し,めっきを行う方法が提唱されているが,粗面化による伝送損失への影響が懸念される。本研究では,これらの課題を改善することを目的に,アルカリ処理,弱酸性過マンガン酸塩処理,シランカップリング処理を組み合わせた前処理工程により,表面を改質し,低粗度,短時間で無電解銅めっきを行う方法を検討した。

  • 指田 和之, 竹原 奈津紀, 大貫 仁, 篠嶋 妥
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 26 巻 1 号 p. 134-143
    発行日: 2023/01/01
    公開日: 2023/01/01
    [早期公開] 公開日: 2022/09/29
    ジャーナル 認証あり

    トランスはさまざまな産業機器用電源に搭載されているが,小型化,薄型化が強く望まれている。本研究では,FPC (Flexible Printed Circuits)を用いた小型,薄型の高圧トランスの開発を行った。高圧トランスは多くの巻数が必要となるため,隣り合う線との間に形成される静電容量(浮遊容量)が増大して,自己共振周波数が低くなり,スイッチング周波数を高めることができない。さらに高耐圧が必要なため,小型化が難しいという問題がある。本研究ではFPCの高柔軟性,高耐圧性およびファインピッチパターニング特性に着目して,高圧トランスへの適用性を検討した。巻線間の耐圧を保持しながら,浮遊容量を減らす方策およびFPCを折り畳む新構造を見出し,従来品よりも浮遊容量を小さくすることで,自己共振周波数が高い薄型の高圧トランスを開発した。

  • 馬路 哲
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 26 巻 1 号 p. 144-150
    発行日: 2023/01/01
    公開日: 2023/01/01
    [早期公開] 公開日: 2022/09/21
    ジャーナル 認証あり

    ミリ波を効率的に利用するには,伝送に用いる回路を低損失化する必要がある。そのため,銅張積層板(CCL)には低誘電率の誘電体基板や低粗度の銅箔が用いられるが,回路の設計においては独立に測定した誘電特性や表面抵抗などの物性値が用いられている。一方,実際の回路は種々の加工プロセスを経て回路となるため,必ずしも設計通りの伝送特性が得られるわけではない。そこで本研究では,実際にCCLから作製したマイクロストリップ線路回路について,その損失を誘電体損失と導体損失に分離することでミリ波伝送の損失の要因を解析する方法を提案した。その結果,誘電体や銅箔の特性に応じた損失の要因を見積もることができることを確認した。

  • 麻 寧緒, 楢崎 邦男, 大川 陽子, 田井 友理恵, 大串 哲朗, 井手 拓哉
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 26 巻 1 号 p. 151-157
    発行日: 2023/01/01
    公開日: 2023/01/01
    [早期公開] 公開日: 2022/12/01
    ジャーナル 認証あり

    一方向に多数の小さな穴が開いた蓮型多孔質金属(ロータス金属)を低コストで製造できる技術が開発され,ヒートシンクへの応用が注目されている。ロータス金属は,一般的な等方性多孔質体に比べて透過率が高く,圧力損失が少ない特徴がある。本研究では,蓮型多孔質材料で作成されたヒートシンクの伝熱特性を評価する高速解析モデルを開発した。具体的には,フィン表面の等価熱伝達係数を実験結果から同定し,ヌセルト数の汎用的な予測式を導いた。同定された等価熱伝達係数を実ヒートシンク構造に適用し,冷却効果の数値解析結果は,実験結果と概ね良好に一致しており,本高速解析による評価手法の有効性と実用性を示した。

  • 山田 靖, 八坂 慎一, 大浦 賢一, 東条 三秋
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 26 巻 1 号 p. 158-166
    発行日: 2023/01/01
    公開日: 2023/01/01
    [早期公開] 公開日: 2022/11/30
    ジャーナル 認証あり

    パワー半導体デバイス実装用のAg焼結系などの接合材料の特性評価法について検討した。まず,基礎物性として,ヤング率はCu板上に接合材料を成膜した試料を用いて3点曲げによりたわみを測定することで求めた。また熱膨張係数は,同様の試料を用いて,電気炉中で温度を変化させ,その際の反り量をシャドーモアレ法により測定し求めた。次に,パワーサイクル信頼性については,接合材料以外の実装材料の評価になることを避けるため,SiCのダイオードの上部電極にAl板を接触させる方法により行った。また,エレクトロマイグレーション信頼性は,金属層を形成したAl2O3基板上に接合材料を成膜し,高電流密度下で通電して行った。

速報論文
  • 堀 元人, 池田 良成, 山崎 智幸, 村中 司, 鍋谷 暢一
    原稿種別: 速報論文
    2023 年 26 巻 1 号 p. 167-171
    発行日: 2023/01/01
    公開日: 2023/01/01
    [早期公開] 公開日: 2022/11/30
    ジャーナル 認証あり

    Silicon carbide (SiC) devices exhibit several advantages such as high withstand voltage, high temperature operation, and low losses compared to conventional Si devices. However, in order to take full advantage of SiC devices, it is necessary to improve the characteristics of the power module package. In particular, the electrical insulation properties of the package depend on the insulating substrates. In this study, we focused on the difference in the electric field strength distribution when the front and back copper foils are moved horizontally relative to the aluminum nitride substrate.

    We performed a dielectric breakdown voltage test and an electric field analysis corresponding to the test. It was clarified that the dielectric breakdown voltage has a correlation with the electric field strength of the triple junctions, and the dielectric breakdown points coincide with the triple junctions of the copper foil, ceramic and encapsulant.

講座 「三次元実装基礎講座」第2回
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