2025 年 28 巻 1 号 p. 123-131
直流高電圧電源は高周波交流をインバータで生成し,後段のトランスやCockcroft-Walton (CW) 回路で昇圧を行う方式が一般的である。インバータの高周波化により,CW回路のコンデンサ容量の低減ができ,電源の小型化が期待できる。CW回路に用いる高耐圧ダイオードは素子を直列接続した超高耐圧のSiCモジュールの開発により,300 kHz以上の高周波動作が可能となり,素子の直列数による耐圧設計が可能となった。一方で,直列数と導通損失は比例するため,高耐圧化の限界もある。本稿では出力電圧を得るためのダイオード素子の直列数をCW回路の段数設計と合わせて検討することで,電源の性能向上に有効な構成を明らかにした。