エレクトロニクス実装学会誌
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温度サイクル負荷時におけるLSIパッケージの封止樹脂クラックに関する解析
―初期界面はく離の観察とはく離長さの封止樹脂クラック進展への影響評価
齋藤 武博松山 英人戸谷 眞之
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2000 年 3 巻 6 号 p. 501-508

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抄録

温度サイクル負荷を受けるプラスチックパッケージ内の異材界面はく離の発生部位を特定する目的で, 放射性同位体元素Kr85をトレーサとする気密試験を行った。さらに, はく離が成長するにつれ, それがリードフレームのダイパッド上下コーナ部を起点とする封止樹脂クラックの進展にいかなる影響を及ぼすかに関する数値解析を行った。その結果, Cu合金をリードフレーム材料に用いた場合のはく離発生部位はダイパッド上コーナ部であり, 42合金ではダイパッド下コーナ部であることが推測された。また両者の材料共に, はく離が進展するにつれ, ダイパッド下コーナ部を起点とする封止樹脂クラックはより進展しやすくなり, その進展方向はよりパッケージ底面に垂直な方向へ変化することを指摘した。

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© 一般社団法人エレクトロニクス実装学会
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