抄録
3次元実装メモリモジュールの温度サイクル下での信頼性向上のための熱応力解析を行った。新規に開発した3次元実装メモリモジュールは, 高性能なコンピュータ, ネットワーク機器などに用いられる。このモジュールは, CSPパッケージをベースとして, それをはんだバンプを介して積層した構造をとる。熱応力解析は, はんだバンプの塑性, クリープなどの非線形特性を考慮して, 3次元の有限要素法モデルで行った。はんだバンプの温度サイクル下での寿命は, 熱応力解析結果の非弾性ひずみ振幅の値から予測することができる。解析の結果, 4段積層モジュールの場合, すべての積層隙間に封止樹脂を入れることにより, 樹脂なしに比べて20倍の寿命延長が示された。また, はんだバンプとセラミックキャリア基板の信頼性を両立させる封止樹脂特性についても最適な値を求めた。これにより, 信頼性向上のための手段として, 熱応力解析が非常に有効であることが示された。