抄録
Sn-Cu-Ag合金めっきは, Sn-Pbはんだめっきの代替として有望であり, 優れた耐熱疲労特性を有している。トリスー3ーヒドロキシプロピルホスフイン (T3HPP) , ポリオキシエチレンーαーナフトール (POEN) および2, 2, -ジチオジァニリン (DTDA) を添加剤とするメタンスルホン酸浴から, 電流密度0.5~5A/dm2において, 目的組成Sn-0.7Cu-0.3Ag (組成: mass%) の合金皮膜が得られた。T3HPPの添加は, 浴の安定性を著しく改善した。この合金皮膜は, β-Sn相とCu6Sn5相およびAg3Sn相からなり, その融点はほぼ225℃の値を示した。銅素地上のSn-0.7Cu-0.3Ag合金皮膜には, 6カ月の室温経時後においてもウイスカの発生は認められなかった。