2005 年 8 巻 1 号 p. 37-43
著者らは先に, 金バンプを用いた圧接工法によるフリップチップ接続の接続信頼性に及ぼす機械的な材料特性の影響について, 金バンプおよび基板電極部の塑性ひずみに着目した応力解析により検討した。本研究では, 応力解析から明らかとなった材料特性の影響について, TEG (Test Element Group) サンプルの試作評価により検証した。その結果, 金バンプの塑性ひずみが過大となる材料構成の場合には, 高温側で電気的断線が発生することを実験的に検証し, 応力解析から予測された材料特性の影響メカニズムの妥当性を確認した。一方, 低温時には, LSIチップと搭載基板の熱膨張差による反り変形に起因して, 金バンプの接触応力が減少する断線不良モードが存在することを明らかにした。上記の高温および低温側での断線メカニズムに対して, チップ薄形化は接続信頼性を向上させる接触応力の安定化に有効な構造因子であることを見出した。