行動分析学研究
Online ISSN : 2424-2500
Print ISSN : 0913-8013
ISSN-L : 0913-8013
実践報告
確認行為がある強迫性障害患者に対するエクスポージャーと儀式妨害――行動指標を用いた技法の検討――
岡本 直人
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 37 巻 1 号 p. 30-38

詳細
抄録

研究の目的 確認行為を繰り返してしまう強迫性障害の患者に対して、行動指標を用いたエクスポージャーと儀式妨害(exposure and ritual prevention: ERP)を行い、その効果について検討することを目的とした。研究計画 ABデザインを用いた。場面 精神科クリニックの面接室および近隣のコンビニや駅などであった。対象者 強迫性障害と診断された20代後半の成人女性であった。介入 バッグから用紙を取り出して捨てることにより、落とし物への不安を惹起させ、その前後に生じる確認行為を妨害するというERPを行った。行動の指標 用紙を捨てた回数を測定した。結果 介入によって用紙を捨てた回数が増加し、徐々に日常生活に良好な変化が見られるようになった。結論 確認行為のある強迫性障害の患者に対して、行動指標を用いたERPが有効であった。

著者関連情報
© 2022 一般社団法人 日本行動分析学会
前の記事 次の記事
feedback
Top