抄録
症例は66歳の男性.3年前より腹部膨満を自覚していたが,症状が増悪し当院を受診した.腹部CT検査にて長径250mmの巨大な腫瘍を認め,胃との連続性を認めたため超音波内視鏡下吸引穿刺生検法を施行し,gastrointestinal stromal tumor(GIST)と診断した.腫瘍は巨大で膵臓,横行結腸など周囲臓器への浸潤が疑われ,さらに手術操作による破裂も危惧されたため,イマチニブを先行投与する方針とした.イマチニブ投与6カ月後の評価にて腫瘍の著明な縮小を認め,画像診断にて根治切除可能と判断したことから切除を施行した.腫瘍は胃前壁に広範に存在し,横行結腸間膜に浸潤を認めたが,分節胃切除術,横行結腸合併切除術にて根治切除しえた.術後イマチニブによる補助化学療法を施行し,術後1年6カ月経過した現在まで再発を認めていない.