本研究は,複式学級で生起する協働的な自己調整学習を分析することを目的とした。小学3, 4年生の複式学級において単元内自由進度学習を実践し,4回の授業における学習行動の調査と2回の質問紙調査を行った。その結果,児童自らが学びのプロセスを進めることを意図して教師が積極的に間接指導を取り入れた学習環境下では,個別の学習であっても互いに学びを調整し合う協働的自己調整学習が観察された。異学年混合の学習環境における特徴的な自己調整学習行動として,下学年児童が上学年児童を活用する支援要請行動や,自己調整したり支援提供を受けたりする児童の様子を見取り,他者へのサポートを調整する上学年のメタ的共調整行動の生起が確認された。一方で,単元内自由進度学習を行った場合,一人学びと学習外活動の時間に個人間差が生じることが明らかとなった。さらに,自己調整行動をとったにもかかわらず学習が継続しない児童がおり,学習への不安感や動機づけ調整方略との関連が示唆された。