抄録
児童は,テレビをはじめメディアが発信する様々な情報を受け取っている.彼らには,メディアと正しく上手につきあうメディアリテラシー教育が必要である.そこで本研究では,小学校低学年を対象とし,「テレビの中の空想と現実の理解」に特化したメディアリテラシー教育入門教材「うっきーちゃんのテレビふしぎたんけん」(ビデオ・ガイドブック)を開発し,実践において総括的評価を行った.プレポストデザインの統制群法による授業実験を公立小学校1学年2学級で実施した.その結果,「テレビの現実性理解度」について実験群が統制群より有意に上昇し,本教材の効果が認められた.この教材活用により,児童はメディアリテラシー教育への「気づき」と「やる気」を示した.加えて,本教材を使用しても児童の一般的なファンタジーは維持されることがわかった.