抄録
本学では,非理工系学部の学生に対する情報基礎教育(一般情報処理教育)を実施する中で,情報基礎教育カリキュラムを,学生に何が必要かという視点から,実践的に構築してきた.その結果,学生が身につけるべき情報リテラシーとして「コンピュータリテラシー」,「ネットワークリテラシー」,「メディアリテラシー」という3つの柱をたて,さらに,多様な学生の要求に応えるため,カリキュラムの階層化を行い,効果をあげている.本稿では,どういった実践および考え方により,現在実施しているカリキュラムに到達したかを解説し,その評価を行う.さらに,高校で教科「情報」が導入されたことを踏まえ,情報基礎教育カリキュラムの今後の在り方について,現在までの教育実践の経験に基いて,議論を行う.