本研究は,手続き的説明文(手順)について,図の呈示方法(全体図と部分図)と学習者の個人差が内容理解へ与える影響を適性処遇交互作用(ATI)の枠組みで実験的に検討した.今回,学習者の個人差を示す指標としてSTERNBERG(1997)により提唱された思考スタイルをとりあげた.その結果,手続き的説明文の学習時には評価型の学習者の場合,部分図ごとに手順を理解していき,全体像を構成していくことが思考スタイルにマッチしているため部分図呈示が,それ以外の学習者には一見して全体像を把握できるような構成の全体図呈示が有効であった.