日本教育工学会論文誌
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教育実習生の実習前後における教科・教職専門科目に対する大学講義イメージの変容
三島 知剛斎藤 未来森 敏昭
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2009 年 33 巻 1 号 p. 93-101

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抄録

本研究の主目的は,教育実習生の実習前後における大学講義イメージの変容の検討であった.本研究では,大学講義を「教科の指導法に関する講義」「心理学系講義」「教育学系講義」の3つに大別し,伊田(2003)の課題価値尺度を用いて,教育実習生122名を対象に実習前後で質問紙調査を実施した.その結果,(1)実習前後で「興味価値」が上昇し,実習後に大学講義をポジティブにイメージするようになること,(2)心理学系の講義に関して実習前後で「制度的利用価値」が上昇し,実習後に心理学系講義に関して教員採用試験で役立つとイメージするようになること,(3)教職志望度と「公的獲得価値」の変容に密接な関連があり,教職志望度を強めることによって他者の目を意識し始めること,(4)教科の指導法に関する講義,心理学系講義に比べて,全体的に教育学系講義の得点が低く,教育学系の講義に関して学習意欲を見出せにくいこと,の4点が主に示唆された.

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© 2009 日本教育工学会
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