2009 年 33 巻 Suppl. 号 p. 177-180
本研究の目的は,創造性育成のための教育ツール開発を試み,その心理的効果を検証することであった.カードゲーム開発にあたって,ブレインストーミングを4つの役割に置き換えた役カード(4種類各10枚)に加え,発想を促進するTOIカード(50種類),簡潔明瞭なカードデザイン,わかりやすいルール(30秒ルール)を採用することを確認した.被験者35名に対して,ゲームを実施したところ,本カードゲームは,平均35個のアイデア量を確保したこと,また抑うつ感の高い被験者は,ゲームの進行に伴って抑うつ感が低くなることを示した.さらに,ブレインストーミング法の基本ルールについては,長期にわたり保持されていることが明らかとなった.