2012 年 36 巻 3 号 p. 227-238
本研究では,サービス・ラーニングにおける学生の経験と学習成果を把握し,経験と学習成果の関連を明らかにすることを目的に,立命館大学が開講する「地域活性化ボランティア」の受講生61名に対して質問紙調査を行った.本研究の主な結果は以下の通りである.1)経験として「積極的関与」,「問題解決活動」,「記録・報告」,「他の学生との関わり」,「教員やコーディネーターからの支援」,「現場での協働」,「地域への貢献」,「事前準備活動」という因子が得られた.2)学習成果として,「スキル」,「パーソナル」,「シビック」,「アカデミック」,「インクワイアリー」,「キャリア」という因子が得られた.3)学習成果の種類によって効果のある経験の種類は異なっていたが,総じて「教員やコーディネーターからの支援」の効果が高く,教員やコーディネーターによる学習支援が重要であることが示唆された.