抄録
本研究の目的は大学生の地域社会への責任感尺度を作成することであった.先行研究を吟味した結果,地域社会への責任感は態度と効力感から定義され,大学生(649名)が新たに作成された責任感に関する尺度項目,向社会的行動尺度等について回答した.得られたデータに対し因子分析を行ったところ,地域社会において連帯し進んで責任を引き受ける態度と効力感の2因子が見出された.内的一貫性と再検査法の結果を吟味したところ,責任感尺度の信頼性が確認された.ロジスティック回帰分析と相関分析の結果を吟味したところ,尺度の妥当性が確認された.