日本教育工学会論文誌
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論文
構成主義的学習におけるルーブリックの活用方法が学習者に与える影響分析
-目標志向性,学習観,動機づけ,学習方略,学習課題成績に着目して-
山本 美紀植野 真臣
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2015 年 39 巻 2 号 p. 67-81

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抄録
本研究では,構成主義的学習観に基づく評価を学習者に実践させることによって,学習観の変容が誘発される可能性を示す.具体的には,ルーブリックを活用した実験的な授業を行い,その活用方法が学習者に与える影響をクローズエンドな課題,オープンエンドな課題を用いて実証的に分析する.その結果,(1) 学習課題によって学習者の目標志向性が変化して学習観の変容を抑制する場合があるが,ルーブリックを用いることにより,課題によらず学習観の変容を直接的に誘発できる,(2) オープンエンドな課題では,構成主義的学習観への変容によって,認知方略およびメタ認知方略を含む自己調整方略の使用が促進され,学習課題の成績が向上する,(3) オープンエンドな課題では,学習者がルーブリックの作成に参加することによって構成主義的学習に対する内発的価値を高め,動機づけを向上させる,ことが明らかになった.
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© 2015 日本教育工学会
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