2016 年 40 巻 3 号 p. 187-196
21世紀に求められる資質・能力は,学校での様々な学習活動を通じて統合的に育んで行く必要があるが,その具体的な学習活動としてデジタルストーリーテリングに注目し,中学校の総合的な学習の時間における授業実践を行った.大学での先行研究と同様の,力に関係した意識の調査を行ったところ,多くの項目で向上が見られた.更に21世紀に求められる資質・能力の枠組みで各項目を分析したところ,デジタルストーリーテリングは,特に<相互作用的道具活用力>を育むという特長があることが示唆された.一方で,21世紀に求められる資質・能力を幅広く育むとは言い難い結果が得られたため,授業改善を検討し,学習活動の質を高めるためのワークシートを活用した改善案を構想した.本研究を通じて,21世紀に求められる資質・能力を育む具体的な学習活動としてのデジタルストーリーテリングの可能性と,今後へ向けての課題を明らかにすることができた.