2017 年 41 巻 2 号 p. 149-156
重度視覚障害を有する視覚特別支援学校の教員や点字出版所の職員が点訳の専門家として手で触察して把握する点字教材の点図を自立的に作図可能にするため点字教材作図システムBplotを更に改良し,重度視覚障害者に特化したBplot(コマンド記述方式)を開発した.主要な改良点は,エディタで記述する作図コマンドの引数を変数や関数を含む数式で記述可能としたこと,引数の計算がすべて自動化されたこと,また,蓄積された既存の画像データをBplot(コマンド記述方式)の作図コマンドに変換する技術を開発したこと,更に重度視覚障害者も作図部品として既存の画像データの活用が可能となったことである.Bplot(コマンド記述方式)の開発は,ただ単に教職員のみならず高校や大学の学生や社会人等,従来作図が困難であったすべての重度視覚障害者の点図の自作と活用を可能にする.