本研究の目的は,ラーニングコモンズ運営担当者の視点から,その開設初期にどのような困難に直面しているのかを現状分析し,学習支援環境作りに向けどのような取り組みが可能かを考察することである.研究対象の大学に設置されたラーニングコモンズの運営担当者2名に行ったインタビューを分析した結果,学習支援を機能させるためには部署を超えた連携が重要であるがそれが十分に構築されておらず学生にラーニングコモンズ利用の必然性を与えられていないことが分かった.こうした現状の中で学習支援環境を構築するために可能な取り組みとして,大学全体や草の根レベルで部署間連携構築に向けた努力が考えられる.