2018 年 42 巻 3 号 p. 243-253
プロジェクト基盤学習(PBL)は,担当する教員の経験やノウハウに基づいて実施されることが多い.そこで本論文は,社会人基礎力の修得を目的としたPBL の継続的改善の方法について考察した.具体的には,PBL 授業の成功要因と学習成果を構造化し,その関係を重回帰分析により可視化する.この結果から,学習成果の向上有効な要因を見つけ出し,授業改善策を作成する.本研究では,諏訪東京理科大学経営情報学部で実施されるPBL 科目を対象として改善策を策定・実施した.改善策の実施により成功要因の充足度が変化し,それに伴い学習成果の修得度が変化したことを確かめた.これによりPBL の成功要因と学習成果を可視化することによるPBL 授業改善により,継続的改善が可能であることが示された.