日本教育工学会論文誌
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教育実践研究論文
「内藤とうがらし」を軸とした総合的な学習の時間における児童の成長と共進化過程
堀尾 姫那
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2021 年 45 巻 2 号 p. 195-211

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抄録

小学校学習指導要領(平成29年告示)の「総合的な学習の時間」に対応するために,同指導要領が指示している「獲得すべき資質・能力」を考慮し,児童らが,児童らの周囲の人物や事物とのネットワークの変化とともに成長していくと仮定して,以下の条件で単元を設計した:(a)学級全体で1つのプロジェクトに取り組むこと,(b)児童らが自ら課題を設定するプロセスを必ず入れること,(c)学校を取り巻く地域にある独自の事物を活動のテーマとすること.受け持った教室での1年間の実践で,この単元設計の効果を検証した.子どもたちの変容過程を評価するために,主に児童らが作成したポートフォリオデータを用い,アクターネットワーク分析,テキストマイニング分析,数量化分析を行った.その結果,児童の成長と,学級全体や地域社会とのネットワークの拡大・深化が共進化していることがわかり,上記の仮定の妥当性と,条件(a),(b),(c)から単元を設計することの重要性が示された.

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© 2021 一般社団法人日本教育工学会
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