技術者向けの企業内集合型研修において,過去10年間に4つの研修改善施策をシリーズで実施し,それらが授業の理解度に与えた効果を受講者による授業評価アンケートを用いて評価した.最初の施策を実施した以前から継続する講座19件のアンケート回答結果延べ約7,000名分について,各施策の前後における授業理解度の変化を分析した.その結果,一連の施策完了後に理解度は有意に上昇し,中程度の効果量が認められた.各研修改善施策の効果については,講座体系の整備,講座の重要ポイントの策定およびテスト結果の即時フィードバックが理解度向上に有意に寄与することが明らかになった.さらに,施策による理解度の変化には,授業形式により異なる傾向があることが示された.