日本教育工学会論文誌
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論文
リーダーシップ自己効力感とレジリエンスの関係
武田 佳子溝口 侑溝上 慎一
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2022 年 46 巻 2 号 p. 229-239

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抄録

本研究では,リーダーシップの発揮に有効とされるリーダーシップ自己効力感とレジリエンスに着目し大学4年次と社会人1年目で縦断調査を行った.学校から仕事・社会への移行(トランジション)におけるリーダーシップ自己効力感(LSE;変革力・遂行力・共感力・鼓舞力)とレジリエンス(BRS;資質的・獲得的)の相互関係の検討を行うため,縦断データを用い交差遅延効果モデルによる分析を行った.その結果,大学から社会人1年目でLSE の4因子及びBRS の2因子すべてで有意な得点の低下が見られた.また,大学4年次の資質的レジリエンスから社会人1年目のLSE の遂行力,変革力,鼓舞力へ,大学4年次の獲得的レジリエンスから社会人1年目のLSE 遂行力へ有意な正の影響が見られた.大学4年次のLSE から社会人1年目のBRS への影響はみられなかったことから,大学までにレジリエンスを身につけることは,社会人1年目において,共感力以外のリーダーシップ自己効力感に効果がある可能性が示唆された.

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© 2022 一般社団法人日本教育工学会
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