2022 年 46 巻 3 号 p. 453-463
本研究では,パーキンソン病患者の体の動きの改善とQOL 向上を目的とした健康支援教育プログラムを開発し,その効果についてランダム化比較試験によって検討した.実験群では,インストラクショナルデザインの原則によって設計されたタンゴセラピーをオンデマンド方式で配信し,テレビ会議システムを使ってフィードバックした.一方,統制群では,テレビ会議システムを使って健康講座を行った.その結果, 実験群において,外出頻度が有意に高くなった.さらに,インタビュー調査の分析から,オンラインタンゴセラピーによって体の動きの改善に効果があることがわかった.体の動きの改善は,心理面での変化につながり,日常における活動にも効果が見られた.これらの結果から, オンラインタンゴセラピーは,社会生活への参加の積極性を高めたことが示された.