2022 年 46 巻 Suppl. 号 p. 201-204
本研究では,初年次生はライティングにおいてどのような点を意識しており,その意識は文章にも適切な形で反映されるのか,意識と執筆された文章の対応関係を明らかにする.初年次生15名を対象とし,ライティングにおける意識を尋ねる質問紙調査を実施し,意識に照らし合わせて文章を分析した.その結果,意識している点はレポート執筆のルールとして適切であったが,執筆された文章には,1)主張と根拠のつながりや根拠の内容面が不十分,2)書き言葉・話し言葉の判断が不十分,3)想定する読み手の範囲が限定的,の3つの問題点が見られた.ここから,各問題点に応じて,意識と文章のズレを埋める支援を行う必要性が示唆された.