2023 年 47 巻 4 号 p. 567-578
現代の初等中等教育では,学習環境に対する社会的ニーズ,技術環境が変化している.国内の学習環境に関する研究動向について,山内 (2020)の「空間」「人工物」「活動」「共同体」の4つの側面を手がかりにレビューを行った.まず,学習環境がどのような学問領域で研究対象とされているのかを調査した結果,日本教育工学会の論文がもっとも多く,「人工物」「活動」に着目していた.次に,日本教育工学会の論文のみを対象にレビューを行った結果,4つの側面の典型的な組み合わせとともに,「共同体」「空間」に関する研究が少ない状況にあることを検証した.これらの結果から,①知見が不足している領域に対するアプローチと,②蓄積されてきた知見を体系的にとらえる枠組みの構築の重要性を提言した.