2024 年 48 巻 Suppl. 号 p. 229-232
災害など緊急時には主体的に身を守る行動をとることが重要である.そのために小学校や中学校では避難訓練を定期的に実施している.しかし,授業中での訓練が主であり教師の指示に従い避難経路を通るだけであり,休み時間など子供たちが分散している状態で災害が起きた場合,子供たちが自主的に避難行動を取れるかは不明である.よって,授業時間外における子供らの避難行動時の行動を可視化・分析することが,今後の自身の判断による避難を実現するために必要不可欠である.本稿では,小学校の休み時間の避難訓練時の行動を位置情報および定点カメラで可視化し分析を行った.その結果,低学年の児童は教師の指示を受けることが第一の目的で行動し,高学年は訓練に慣れており,すみやかに避難する傾向が示された.