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髙橋 典弘
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
1-4
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
ジャーナル
フリー
本研究では,中学校技術科において,センサから得られたデータをプログラムによって分析し,フィジカル空間において問題解決が可能な教材やカリキュラムを開発した.その後,開発教材を使用して授業実践を行い,アンケートによって教育効果を測った.結果,学習者のデータサイエンスに対する基本的な理解を促すことや,データ活用の有用感を醸成させることに一定の効果が認められた.
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石原 浩一, 泰山 裕
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
5-8
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
ジャーナル
フリー
本研究の目的は,養護教諭を対象とした効果的なクラウド活用研修を実施するための留意点を明らかにすることである.養護教諭クラウド活用研修を実施し,半年後にアンケート調査を行った.「研修内容の有用感」「研修後の行動」に関する回答結果をもとに促進要因を検討した結果,研修転移群は研修後に同僚や他校の養護教諭と積極的に相談をしていたこと,研修講師の資料を見て学び直していたことが分かった.また,研修非転移群の阻害要因及び求める支援を分析した結果,「活用場面理解の不十分さ」等の阻害要因があり,「情報共有・相談先」等の支援を求めていたことが分かった.これらの知見をもとに,研修の留意点が整理された.
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保育者志望学生を事例として
紺谷 遼太郎
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
9-12
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
ジャーナル
フリー
本研究の目的は,大学生を対象に,自己学習におけるスマートフォン利用実態と学習方略使用について探索的に検討し,その両者の関連を捉えることであった.結果,学生はスマートフォンを多様な学習ツールとして利用していることが示された.また,自身の学習をコントロールするような利用内容が,認知的方略,メタ認知的方略,および動機づけ調整方略の一部と正の相関を示した.このような利用をする学生にとってスマートフォンは,学習における自己調整を総合的に進めるための戦略的な利用ツールとして認識されている可能性が示唆された.
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西片 裕
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
13-16
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
ジャーナル
フリー
リハビリテーション専門職養成校では,臨床技能を学ぶ授業があり,その一環として実技試験が実施されている.本研究では,臨床技能を学ぶ授業を実践し,実技試験後に行う教員のフィードバックの違いが,学生の臨床技能に対する自己効力感 (BANDURA 1977) に与える影響を検討した.学生の制御焦点に合わせたフィードバックを行った授業実践 (n = 31) では,学生の自己効力感が有意に高くなっていた.しかし,制御焦点に関係なく一律のフィードバックを行った授業実践 (n = 21)では,自己効力感に有意差はなかった.よって,学生の制御焦点を踏まえた対応をすることが,教員にとって大切であると示唆された.
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新原 俊樹, 椿本 弥生
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
17-20
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
[早期公開] 公開日: 2024/10/07
ジャーナル
フリー
高等学校共通教科「情報」の学習内容がどの程度変化したのか,教科書のページ数や授業時間の変化として量的に把握するため,全体の24.4%と最も多くの生徒が使用している教科書に着目し,新・旧各課程の教科書に掲載されている用語とそれらの解説に割かれているページ数を逐次集計した.分析の結果,(1) 新課程の「情報I」の教科書は旧課程の「社会と情報」の内容の多くを残しつつ,それらをより短時間で学ぶように凝縮されていたほか,(2) 表計算ソフトウェアを活用した学習内容は基本統計量の算出を重視したものに変化し,(3) 大学の情報教育でも学ぶデータ分析やプログラミングなど,より高度な内容が追加されていることが明らかになった.
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児玉 典子, 湯 立, 兒玉 安史, 山口 雅史
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
21-24
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
ジャーナル
フリー
本研究は,大学生の学習時に生じる苦手意識尺度 (以下,学習苦手意識尺度) を作成し,その構成概念の妥当性を検討することを目的とした.尺度原案20項目について探索的因子分析の結果 (N = 253),「わずらわしさ」と「懸念」の2因子構造が示された.内的整合性の観点から学習苦手意識尺度の信頼性が確認された.また,確認的因子分析 (N = 626) の結果,学習苦手意識尺度の構成概念妥当性の構造的側面の証拠が得られた.さらに,相関分析の結果より,わずらわしさと懸念は自己効力感と負の関連が見られ,平常の学習時の不安感と正の関連が見られたことから,学習苦手意識尺度の構成概念妥当性の外的側面の証拠が得られた.
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効果と活用実態に着目して
長野 彩夏, 野中 陽一朗
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
25-28
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
[早期公開] 公開日: 2024/09/09
ジャーナル
フリー
本研究の目的は,小学校6年生の第3学期に着目し,子どもたち自身にCharacter Strengths (以下,CS) を自覚させ,CS活用を促し帰りの会で活用実態の記録を求め,Well-beingの心理的側面である主観的幸福感,生活充実感,ホープが向上するか効果検証を行うこと,CS活用介入による児童のCS活用実態を把握することであった.CS活用介入の結果,ホープを構成する通路,発動性のみが向上した.CS活用介入による児童のCS活用実態の4観点について,1日あたり平均1.64回活用し,休み時間に活用が最も多く,他者との関わりと自分1人での活用という2つの活用方法が同等であり,CS活用後の気持ちに7つの活用感カテゴリーがあることを示した.
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相田 直樹, 上野 雄己, 日高 一郎, 北村 友人
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
29-32
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
[早期公開] 公開日: 2024/09/09
ジャーナル
フリー
協働学習は,個人学習よりもアチーブメントや態度の面で優れていることが多いため,どのような要因によって学習者が協働学習に参加するようになるかを検討することは重要である.そこで本研究では,協働学習参加の要因として協働性と自尊感情に着目し,都内中等教育学校を対象に調査されたパネルデータを用いて二次分析を行った.階層的重回帰分析を行った結果,協働学習参加に対する協働性の主効果は見られたが,自尊感情の主効果と協働性との交互作用は有意ではなかった.すなわち,自尊感情の高低にかかわらず協働性が協働学習への参加に関連していた.仮説が支持されなかった要因について,総合的な学習における協働学習という視点から議論した.
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森 晶子, 樗木 悠亮, 清水 佑輔
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
33-36
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
[早期公開] 公開日: 2024/12/26
ジャーナル
フリー
理系分野に女子が少ないという現状を踏まえ,東京大学先端科学技術研究センター先端教育アウトリーチラボ (AEO) では毎年,「放課後トーク」というイベントを開催している.2023年6月に実施した第3回の同イベントでは,高校生に事前に意見聴取を行い,身近で多様なロールモデルと対話する機会を重視した実践を行った.実践前後に取得した参加者のアンケートによると,多くの回答者が将来へのイメージを明確化し,理系進学への興味・関心を高めたことが示唆された.
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小倉 光明, 島田 英昭
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
37-40
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
ジャーナル
フリー
AIの曖昧な出力によって新たな興味への気づきを支援するWebアプリケーションの開発を行った.自然言語処理モデルはrinna社のRoBERTaを活用し,自分では気がついていない興味に気づかせるために曖昧なAI出力を目指した.方法としてユーザ既有の興味を基に,AIに複数候補を予測させ,第1の出力候補だけでなく,それよりも低い順位の出力候補をランダムに提案することで曖昧さを表現した.AIへの指示文は上位概念,下位概念,共通性への広がりを意図して作成した.小中学生に対する検証の結果,「興味あること」の単語数が増加し,その興味に対して感情的価値,認知的価値を感じつつ,視点の変化や自己認識等につながっている可能性が示唆された.
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三和 秀平
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
41-44
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
ジャーナル
フリー
クラウドソーシングによって募集した406名を対象にweb調査を行い,メタバースを活用したオンライン不登校支援の印象や子どもを参加させたいと考えるか,どのような者が参加させたいと思うのかを検討した.その結果,他人のペースに合わせる必要がない,自由な場所であるという印象が持たれていること,発達段階が上がるほど子どもを参加させることに肯定的にとらえること,年齢やオンラインゲーム経験および人間性期待が子どもを参加させることに正の関連を示すことなどが示された.本研究では予備的な検討として細かい支援の条件を設定しないで尋ねたが,今後は支援の形式や内容によってどのような印象を受けるかを検討していくことが望まれる.
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野口 太輔, 山本 朋弘
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
45-48
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
ジャーナル
フリー
本研究の目的は,教育学部の大学生を対象に,教育実習で1人1台端末 (以下,端末) に関する指導を受けた経験が,その後の学生の端末の活用意識にどのような影響を与えるかを検討することである.教育学部の大学生64名から得られた回答に対して,2要因分散分析を行った結果,端末に関する指導を受けた経験が,使用意欲や授業の進め方のイメージ等に影響を及ぼすことが示唆された.このような結果から,今後は,本研究の結果を踏まえた教育実習の在り方を検討していくことで,GIGAスクール構想の促進に寄与できると考えられる.
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佐野 惟知, 今井 弘二, 森田 裕介
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
49-52
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
ジャーナル
フリー
本研究では,都市部における被災地の様子を再現した全天球映像の防災コンテンツを制作し,VRヘッドセットとタブレットPCの視聴機材の違いによる学習体験の差異を検討した.都内在住の大学生および大学院生20名に防災コンテンツを視聴させた結果,VRヘッドセットとタブレットPCの視聴はともに高い評価であったが,VRヘッドセットの方が学習者に対して実際に現場にいるように災害の被害を身近に感じさせるといった臨場感を与え,学習内容に興味を湧かせる教材として有用であることが示唆された.また,被災地の様子を再現した屋内外の視聴場面の違いでは,屋外の場面は屋内の場面と比べて,学習内容に興味を湧かせ,防災についての関心を高め,危険箇所などについての理解や視聴の楽しさに肯定的な影響を与えることが示唆された.
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門脇 眞結, 長田 直, 今井 弘二, 森田 裕介
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
53-56
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
ジャーナル
フリー
本研究では,ガラス製ボトルの再利用工程を題材として追従型三人称視点の映像,固定型三人称視点のVRコンテンツ,再利用ボトル視点のVRコンテンツ (以下,モノ視点) を制作し,視聴者の興味・関心・意欲に与える影響について検討をした.3種類の映像コンテンツの評価は,大学生21名を対象とし,「興味」「関心」「意欲」などに関する14項目の主観評価を用いて行った.一要因参加者内分散分析の結果,モノ視点は追従型三人称視点の映像と比較して興味・関心・意欲を向上させることが示唆された.
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平見 真希人, 藤木 大介
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
57-60
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
ジャーナル
フリー
協同中に発話を通じて共同注意が成立することで課題解決が促されると考えられているが,発話内容によっては共有した視点へ考え方が固定化される場合もあるだろう.特に,既有の考え方にとらわれない新たな発想が求められる課題状況ではそれが妨害となる可能性がある.発想の転換が求められる洞察問題に協同で取り組むと人数が多いため個人で取り組む場合よりも解決率は高かったが,その後個人で取り組む場合には転移しなかった.一方,協同中の発話を共同注意の観点から分類しその影響を分析したところ,パートナーに視点を追跡されることが事後課題の解決を妨げることが示された.視点を追跡されたことで考え方が固定化されたためと考えられる.
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樋井 一宏, 山崎 智仁
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
61-64
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
[早期公開] 公開日: 2024/09/03
ジャーナル
フリー
知的障害特別支援学校中学部の自立活動及び道徳の授業で,生成AIへの理解を深めるとともに学びに活用することをめざした教育実践を行った.自立活動では,AIの活用を重ねることで自己理解が深まり,自身の苦手なことを補う使い方や,人とAIの違いに着目した使い方に気付くことができた.道徳の授業では,生成AIの回答を生徒たちが評価することで,生成AIの回答を必要に応じて取り入れたり,自身の考えを深める際の参考にしたりする姿が見られた.また,学習活動に生成AIを活用する場面を設けたことで,プロンプトの作成スキルや生成AIの回答を判断したり,状況に応じて適切に活用したりするといった力が身に付き,生成AIへの理解を深めるとともに自身の将来に向けてより良く使おうと考える生徒の姿が見られた.
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三井 一希
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
65-68
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
[早期公開] 公開日: 2024/08/14
ジャーナル
フリー
家庭学習において他者と協働的に学び合えること,児童が取り組んだ家庭学習の成果を教師が即時に把握し授業と連携しやすくなることを目指し,家庭学習と授業の連携を意図した学習プログラムを開発し,実践した.評価の結果,本プログラムを使った学習では,一定程度の学習効果が認められること,児童は学習を好意的に評価していること,担任教師は児童が取り組んだ家庭学習の成果が授業と連携しやすくなること等を実感していることが示された.
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荊木 拓, 市位 真, 森山 潤
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
69-72
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
ジャーナル
フリー
我が国におけるサイバーセキュリティ教育の推進に向けた基礎的知見を得るため,米国で開発されたK-12 Cybersecurity Learning Standardsの内容を,K-2,3-5,6-8,9-12の発達段階ごとに,各コアコンセプトに含まれる「宣言的知識」,「手続き的知識」,「思考力,判断力,表現力等」の構成について検討した.その結果,各発達段階において「思考力,判断力,表現力等」の件数は発達段階が上がるほど件数が多くなった.その内容は,例えば,デジタルシティズンシップの場合,プライベートなトピックからパブリックなトピックへと内容が移行していく等,各コアコンセプトの特徴が把握された.
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広報媒体の学生の声の分析から
梅川 紗綾, 田口 真奈
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
73-76
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
[早期公開] 公開日: 2024/10/07
ジャーナル
フリー
通信教育により学士課程教育を行う全43大学のうち,在学生または卒業生のインタビュー記事をWeb上に掲載している大学を2023年10月から12月にかけて調査した.該当する32大学のうち,本研究の対象となる3校の記事を利用し,入学の動機を調査した.KJ法を用いて分析を行った結果,若年層特有の動機が抽出された.直接的な入学の動機として,いつでもどこでも学べる,学びたい専門分野,費用等が抽出され,背景となる体調不良・障がい等,通信制高校出身,進路変更は,近年の若年層を取り巻く環境との関連があることが示唆された.
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後藤 崇志
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
77-80
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
[早期公開] 公開日: 2024/12/26
ジャーナル
フリー
PISA2015データの二次分析を行い,理科の被指導経験を多次元的な特徴として捉えながら,日本人生徒の科学を学ぶ動機づけや科学リテラシーとの関連を検討した.因子分析の結果から,日本人生徒の理科の被指導経験は,開かれた探究指導,実験ベース指導,レリバンス焦点指導の3つの特徴から捉えられた.重回帰分析の結果からは,実験ベース指導,レリバンス焦点指導は科学リテラシーや科学を学ぶ動機づけと正に関連していた一方で,開かれた探究指導は負に関連していた.生徒主導で課題を設定する開かれた探究指導だけでなく,実験手法や学習内容と日常生活の結びつきといった面での指導も必要なことが示唆された.
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抜山 雄一, 久保田 真一郎, 戸田 真志, 喜多 敏博
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
81-84
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
ジャーナル
フリー
本研究では,総合人材育成企業に勤める若手講師が,OJTでどのような学びのプロセスを経験しているか理解するために,若手講師とそのトレーナーにインタビューを行った.若手講師のインタビューをSCATで分析したところ,同僚からの支援の重要性や知識を積み重ねることで専門分野の概念地図が構成され,それが講師としての自己効力感につながることが示唆された.また,若手講師の学びにおいても,他職種と同様に経験学習のサイクルが回っていることが分かった.
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金松 萌々花, 南條 優, 織田 裕二, 佐藤 和紀
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
85-88
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
[早期公開] 公開日: 2024/12/18
ジャーナル
フリー
1人1台の情報端末を活用して子供主体の学習を目指す授業における教師の特徴について探索的に検討することを目的に,教師の教室内での位置ごとに発揮される対面とクラウドでの教育機能を分析した.その結果,学習を起こすきっかけづくりや,児童が確信をもち学習を進めていくために,領域B (教卓後) で最も長く対面での「子供へのKR」と「反応喚起」が行われていた.さらに,領域H (座席内) で「子供へのKR」が最も長い時間行われ,クラウドだけでなく児童のそばへ寄りながらの支援もなされていた.そして,対面とクラウドの双方から「子供に関する情報収集と診断」が行われており,それぞれで得られる情報をもとに支援を行っていた.
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細見 知広, 倉敷 哲生
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
89-92
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
ジャーナル
フリー
現在世代に何らかの負担が生じるとしても将来世代の利得を考慮した行動・意思決定を選択できる能力を育む「将来可能性教育」は,「持続可能な食を支える食育推進」に対する有効性が確認されている.本研究では,この食育における将来可能性教育の効果の持続性および,教育前後での公正感受性の変化を調査した.本教育により高まった環境配慮や伝統食の継承に関する意識は6か月後も維持され,行動変容も認められた.また,本教育による意識および行動変容の背景として,将来世代を視野に入れた公正性実現のための負担の受容に向けた意識の変化が確認された.
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八木澤 史子, 遠藤 みなみ, 佐藤 和紀, 堀田 龍也
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
93-96
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
[早期公開] 公開日: 2024/10/22
ジャーナル
フリー
児童の学習の自律性の支援に取り組む教師による情報端末を活用した授業における机間指導中の意思決定の際の手がかりおよび教授知識を調査した.2名の教師の机間指導中の映像を本人と視聴しながら「声かけ等の手がかり」「声かけ等に関する教授知識」について質問した.その結果,1) 机間指導では児童の特性や人間関係など児童に関する手がかりをもとに協働学習の促進を図っていた.2) 情報端末上で得られる情報から声かけ等の手がかりを得ていた.3) 声かけ等に用いる教授知識は,教師自身の教授行動による働きかけに関する知識だけでなく,児童自身が学習に取り組めるよう児童の行動への働きかけに関する知識も用いていた.
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齋藤 大地, 永島 紀子
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
97-100
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
ジャーナル
フリー
本研究では,別室登校生徒の心身の状態を把握する自記式の健康観察システムを開発し,一定期間のシステム運用ののち,生徒及び教員の評価を実施し分析することで,システムの有効性を検証し課題を明確にすることを目的とした.試行の結果,生徒が抵抗感や負担感なく実施可能であり,かつ教員が生徒の心身の状態を把握し実際の支援につなげることが可能であった.今後のシステム運用に向けた課題としては,教員に対するシステムの技術的な内容の情報提供と,生徒の心身の状態及び特性に応じた支援のあり方が挙げられた.
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長田 直, 永田 悠人, 森田 裕介
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
101-104
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
ジャーナル
フリー
本研究では,企業内研修に取り入れられているVR教材が,受講者の肯定的感情や否定的感情に与える影響について,実際の企業内研修場面において検討をおこなった.小売業X社の正社員およびパートタイム従業員73名を対象に,実際におこなわれているVR教材による企業内研修において,研修の前後で質問紙に回答させた.分析をおこなった結果,研修前と比較して研修中では,否定的感情に関する項目への回答得点の平均値を減少させ,中性的感情の一部および肯定的感情に関する項目への回答得点の平均値を増加させることが明らかとなった.また,実際の業務に近い体験によって学習を支援できる可能性が示唆された.
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南條 優, 佐藤 和紀
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
105-108
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
[早期公開] 公開日: 2024/12/26
ジャーナル
フリー
本研究は,学校放送番組の視聴から場面ごとの情報を読み取る力の育成を目指した分析的視聴シートを開発し,小学校第5学年の児童が学習に取り組んだ際の効果を検証することを目的とした.分析的視聴シートは,児童がキーワード抽出,キーショット抽出,タイトル付与を行い,番組の場面ごとの情報をまとめられるように構成した.児童が分析的視聴シートを活用して2回の実践に取り組んだ結果,2回目の実践で80%以上の児童がキーワード抽出,キーショット抽出,タイトル付与を行うことができた.また,児童が分析的視聴シートを活用して学習に取り組んだ際の意識を自由記述で調査した結果,場面把握や番組から情報収集をする上で有効であった.
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松島 るみ, 尾崎 仁美
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
109-112
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
[早期公開] 公開日: 2024/12/18
ジャーナル
フリー
本研究の目的は,教員からの自律性支援および学生の教員に対するエンゲージメントが自己効力感やリーダーシップに対する自信にどのように影響を及ぼすのかを検討することであった.共学大学および女子大学に所属する女子大学生599名を対象に調査を実施した結果,教員からの自律性支援の認知が直接学生の自己効力感に及ぼす影響は低く,教員に対するエンゲージメントを媒介することで自己効力感やリーダーシップに対する自信に影響を及ぼしている可能性が示唆された.しかし,共学大学と女子大学による顕著な差異はみられなかった.
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山下 大吾, 田中 愛也, 谷田 親彦
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
113-116
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
ジャーナル
フリー
本稿は,ICT機器が整備された教室環境において,技術科での「教科の内容等に関わる情報を示すための学習指導」の実態を検討することを目的とした.技術科を担当した経験年数が20年以上の熟練教員59名と20年未満の中堅教員42名では,「教科書紙面」を用いた学習指導の頻度に相違があるが,「デジタル教科書」などのICT機器を活用した学習指導の頻度には顕著な違いがなかった.また,「デジタル教科書」などのICT機器の使用が多い教員群,「デジタル教科書」のみの使用が少ない教員群,「デジタル教科書」などのICT機器の使用が多く,「教科書以外の紙面資料」の使用が少ない教員群に分類でき,学習指導の傾向を把握できた.
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野口 聡, 田中 雄也
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
117-120
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
ジャーナル
フリー
本研究では,「人に教えるために書く活動 (以下,書く活動)」に取り組み始めたばかりの慣れていない生徒に対して,学習材が書く活動に取り組む意識,記述内容に与える影響を明らかにする.学習材は,1) 未提示,2) 良い例,3) 悪い例,である.分析の結果,3) は書く活動に対する取り組み方は分からないものの,記述内容は他の2つよりも5%水準で有意に得点が高いことから,①平易な書き方,②情報を補足する説明,を含められることが示唆される.
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岡本 小枝
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
121-124
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
ジャーナル
フリー
公立小学校の4年生113名を対象に,使用している文字入力方法とその困難感の調査後に,複数の文字入力方法を指導し,使用したい入力方法を回答させた.その結果,ローマ字入力を行っていた児童のうち,49.41%は他の方法を選択した.ローマ字入力を選択した児童よりも,他の方法を選択した児童の方が,ローマ字入力の困難感の平均値と中央値が高かった.また,ローマ字入力に困難感を感じていない児童はローマ字入力を継続し,困難感を感じている児童は他の入力方法を選択する傾向が示された.タブレットPCで使用可能な文字入力方法を学び,児童自身が入力方法を選択できるようになることで,文字入力への困難感を緩和できる可能性が示唆された.
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伊藤 真紀, 佐藤 和紀
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
125-128
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
[早期公開] 公開日: 2024/12/02
ジャーナル
フリー
本研究は,日常の教育情報を共有する非同期分散型の校内研修にチャットを活用し,活用状況を調査することを目的1,情報の共有により教師に誘発される行動を,投稿内容から抽出し,インタビューを通してその要因を検討することを目的2とした.その結果,①月ごとの投稿数や文字平均数に変動がある,②内容は11に分類され他の教師の授業に関する内容が45.4%と最も多い,③内容に応じ機能を組み合わせた投稿を行っている,以上3点が確認された.また「真似る・聞く・使う・参考にする・やる気になる・挑戦する・参観する」の7つ行動が誘発され,多様な投稿形態による情報共有が教師の自律的な学びを誘発する可能性があることが示唆された.
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草本 明子, 東條 光利, 長縄 正芳, 高橋 純
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
129-132
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
[早期公開] 公開日: 2024/10/07
ジャーナル
フリー
1人1台端末とクラウド環境における「学業的援助要請に着目した課題解決プロセス」について検討することを目的とし,他者参照の効果と学業的援助要請への影響について,要請回避傾向に着目して分析を行った.結果,1) 他者参照により,学業的援助要請を必要とせずに分からないことを自己解決する傾向が高いこと,2) 他者参照が分からないことへの気づきやつまずきの明確化だけでなく,課題の解決に直接寄与すること,3) 要請回避高群は,数学科より社会科の課題で「分からなかったことが解決できる」「答えの完成度を上げることができる」傾向が高いことが示唆された.
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後藤 宗, 三井 一希
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
133-136
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
[早期公開] 公開日: 2024/12/26
ジャーナル
フリー
本研究では,小学校第3学年の児童が,教科書,インターネット,および二次元コードを活用して収集した情報を,「課題に関連する観点」「情報の収集手段」「収集した情報」という3つの項目に分類した.そして,これらの情報が社会科の課題を解決するために必要かどうかを評価し,収集した情報量を算出した.結果,教科書やインターネットの活用のみでは,課題の解決に必要な情報が不足する場合があり,二次元コードの活用により,情報不足を補える可能性があることが示唆された.さらに,二次元コードを活用して,すぐに情報の収集ができることで課題を解決するために必要な情報量が増加し,情報の収集力の向上に寄与する可能性が示唆された.
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北神 慎司, 太田 直斗
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
137-140
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
ジャーナル
フリー
最近の研究では,視覚シンボルの表す概念の特性がその処理の容易さに影響することが示されている.中でも,ある概念が身体とどの程度容易に相互作用可能かを示す指標である身体-対象相互作用の効果は,シンボルが具象的な概念を表現するのか,抽象的な概念を表すのかにより異なることが示されている.しかし,その知見は単一の視覚シンボルと概念を照合する課題という,比較的限定的な課題設定によって得られたものである.そこで本研究では,複数の視覚シンボルから標的を探索するという視覚探索課題を用いて,知見の一般化を目指した.その結果,視覚探索課題においても結果の再現性が確認され,先行研究で得られた知見の一般化可能性が示唆された.
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岩﨑 千晶, 松河 秀哉
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
141-144
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
[早期公開] 公開日: 2024/12/02
ジャーナル
フリー
本研究では,大学の初年次生が自学自習としてレポートの文章を校正する際に,言語生成AIとルーブリックを用いた個別フィードバックを活用する実践を行い,効果の程度と課題を検証した.調査の結果,65.4%の学生が言語生成AIによるフィードバックを肯定的に評価した.事後アンケートの自由記述では,フィードバックをもとに表記表現や文章構成など自分で気づかなかった文章に表出した問題点を把握し,文章の改善に活用した例がみられた.一方,言語生成AIのフィードバックに誤りがある点を問題視する意見もあり,継続的な調査の必要性が示された.
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楠元 洋子, ブロードブリッジ ジェームズ
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
145-148
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
ジャーナル
フリー
本研究は,英語の講義音声を用いノートテイキング指導を行った結果,ノートテイキング能力および聴解能力が向上するのか調査した.本研究では,SIEGEL (2019) のノートテイキングの4ステップ指導法に従い,英語を媒介用語とした講義 (EMI) 履修予定の英語初中級レベルの学習者36名を対象に指導した.週1回約30分の指導を10週間行った結果,Information Unit (記録した情報単位) で評価したノートテイキング能力が向上したことが示唆された.しかし,事前・事後聴解テストの結果に変化は見られなかった.
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田中 茂道, 阪東 哲也
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
149-152
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
ジャーナル
フリー
本研究の目的は価値創造力育成につながる生成AIを活用した授業デザインの検討に必要な基礎的知見を得ることである.小学校5年生20名を対象とし,創造性創出過程のモデルに基づき,生成AIを活用した授業デザインを構想した.パフォーマンス課題として設定したレポートからルーブリックに基づき価値創造力の得点を算出した.Wilcoxonの符号付き順位検定の結果,革新的なアイデアと価値創造力全体で有意差,課題発見に有意傾向が認められ,特に,創造過程での生成AI活用後に価値創造力の得点が高水準であった.創造性創出過程のモデルを効果的に働かせるために生成AIを活用することが,児童の価値創造力を高められる可能性が示唆された.
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菱 真衣, 水内 豊和
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
153-156
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
ジャーナル
フリー
知的障害を伴う肢体不自由児を対象に,高等部情報の授業において,問題解決能力や空間把握に関する認知の変容等をねらいとし,トイドローンを活用したプログラミング教育を実施した.3つの課題を通して,最終的には身近な問題の解決に関する問いを自ら立てて,プログラミングを行う様子が見られた.また,トイドローンを活用することでプログラミングを行う過程における距離の見立てに変容が見られた.四肢の障害により身体を動かす経験が乏しく,空間を把握することに課題のある肢体不自由児にとって有効な機器と考えられる.
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阿久津 慎也, 今野 百恵
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
157-160
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
ジャーナル
フリー
本研究では,数学と国語の教科横断型授業を設計・実践し,数学と国語の学習に対する課題価値に着目して分析することで,教科横断型授業が,学習者にどのような影響を与えるかを検討した.教科横断型授業では,学習内容の日常生活における実用性を教授する教材を開発・実践し,授業の前後に授業を受けた中学生に質問紙の回答を求めた.対応のあるt検定の結果,数学の勉強について,興味価値と獲得価値の二つの課題価値に正の影響を与え,国語の勉強について,興味価値,獲得価値,実践的利用価値の三つの課題価値に正の影響を与えることが示された.この結果から,学習内容の日常生活における実用性を教授する教科横断型授業を通して,二つの教科の興味価値,獲得価値,実践的利用価値を高める可能性や,異教科の教員が協働して二つの教科を組み合わせることで,それぞれの教科の課題価値を高められる可能性が示唆された.
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宇佐美 健, 古屋 礼史, 藺牟田 未央, 今野 貴之
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
161-164
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
[早期公開] 公開日: 2024/10/22
ジャーナル
フリー
本研究の目的は,中学校の校内教育支援センターの運営にかかわる教師の葛藤及び,教師間の共通理解の構築に向けた要因を明らかにすることである.対象とする公立中学校に所属する教師8名に対してインタビューを実施した.また,推進する立場である筆者間で相互にインタビューを実施した.質的に分析した結果,校内教育支援センターの運営をめぐって支援に対する信念の衝突という葛藤が生じていることが明らかになった.教師間の共通理解の構築に向けた要因として,推進する教師が周りの教師を巻き込んでいくために自己の信念を伝達したこと,教師が生徒の前向きな変化を実感したことの2つがわかった.
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太田 小雪, 榊原 範久
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
165-168
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
ジャーナル
フリー
本研究では,小学校体育科において,情報端末持ち帰りによる家庭でのビデオアノテーション (以下,VA) を採用し,学習者の相互評価を促すとともに,関心意欲を促す授業デザインを設計した.小学校第5学年の体育科器械運動にて授業実践を行ったところ,質問紙調査にて,授業の関心意欲について高い評価が示された.また,自由記述にて,VAを取り入れた授業の有用性について言及された.以上の結果から,本授業デザインに基づく授業実践を通して,学習者は高い関心意欲をもって授業に取り組んでいたこと,有用性を実感していることが示唆された.
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加藤 咲希, 榊原 範久
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
169-172
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
ジャーナル
フリー
本研究では,小学校高学年児童を対象に,インフォグラフィックスの学習者向けガイドラインのチェックリストを開発し,それを用いて,社会科歴史分野において単元の学びや要点をまとめるレポート作成の実践を行った.その結果,チェックリストを用いたことで 「目的」,「コンセプト」,「データの質」,「見やすさ」,「目線の追いやすさ」の5観点において,80.0%以上の学習者がチェックリストへの記述をレポートに反映させて作成した.よって,本研究におけるチェックリストの観点や具体的な方法の文言の妥当性,有用性が示唆された.
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田代 穂香, 山中 雄生, 井原 章之, 元村 慎太郎, 瀬戸崎 典夫
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
173-176
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
ジャーナル
フリー
本研究では,Web会議システムと連動するARコンテンツを用いた遠隔コミュニケーションの利点と課題を整理し,今後の教材開発に向けた指針を得ることを目的とした.その結果,本ARコンテンツが参加者の興味を高め,主体的な活動を促す可能性が示された.一方,位置把握や3Dオブジェクトの操作,通信の遅延に関してはさらなる改善の余地が示された.
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平 和樹, 宮本 友弘
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
177-180
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
ジャーナル
フリー
タブレット利用時に児童の健康影響として留意すべき事項のうち,タブレット画面の表示輝度に注目し,小学校に勤務する教師14名を対象に,教室内の明るさに応じて「見やすい」輝度にタブレット表示を調整する実験を行った.その際に,白色の画用紙を輝度調整の判断に用いることの効果について検討を行った.その結果,教室内の明るさと,画用紙の利用に有意な交互作用がみられた.画用紙の利用により,調整後の表示輝度は画用紙の反射輝度に近づき,両者の輝度比は小さくなった.画用紙を利用し表示輝度を調整する判断のしやすさについては,個人差がみられた.
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授業改善提案の実施状況の確認
竹岡 篤永, 根本 淳子, 高橋 暁子, 市川 尚, 鈴木 克明
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
181-184
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
ジャーナル
フリー
本研究では,「大学版上級ID専門家養成講座」の参加者による授業改善提案が,どの程度クライアント教員によって実施されたかを,提案実施後1年以降のフォローアップインタビューによって明らかにした.クライアント教員へのインタビュー内容を提案ごとに整理して分析した結果,本講座を通じてなされた提案のほとんどが実施されたことが明らかになった.このことより,本講座で実施可能な提案が行えていたことが確認できた.また,実施イメージの共有や改善意図の共有の重要性が明らかになり,授業改善が次の改善につながる可能性も示された.
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尾之上 高哉, 井口 豊
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
185-188
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
ジャーナル
フリー
本研究では,練習中の成績の捉え方についての示唆を得るために,ブロック練習と交互練習における各成績が,テストの成績が示す定着度と関連するかを検証した.4つの立体の求積課題を教材とし,各課題の学習を行った後の復習をブロック練習または交互練習で行う条件を設け,復習の成績とテストの成績の関連を分析した.結果は,①復習の成績とテストの成績の関連は,復習を交互練習で行った場合にのみ認められる,②交互練習の機会が増えると,両者の関連は相対的に強まり,かつ,より高い得点で両者の関連が生じる,であった.練習中の成績の捉え方は,ブロック練習と交互練習,さらには交互練習の履歴,という観点から変える必要性が示された.
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高橋 暁子, 市川 尚, 根本 淳子, 竹岡 篤永, 鈴木 克明
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
189-192
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
ジャーナル
フリー
本研究では,教材企画書作成を支援するJob-Aidツールを開発した.学習者が作成した教材企画書の内容分析および質問紙評価の結果,本ツールがID初学者の教材企画書作成を支援できることが示唆された.とくに,本研究で新規開発した自己評価機能と相互評価機能が有用だったことがわかった.その一方で,使いやすさの面では改善が必要であることが確認された.
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米良 克美, 天野 慧
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
193-196
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
ジャーナル
フリー
昨今,社会人の英語能力開発の必要性が高まっている.本研究では,英語に対する自信や学習姿勢と主観的幸福度の関係について調べた.日本で働く社会人10,260名に対するアンケート調査を行った結果,英語が嫌い,英語に対する自信がない,英語スコアが低いと回答した群と比べて,それぞれ,英語が好き,英語に対する自信がある,英語スコアが高いと回答した群において主観的幸福度が高かった.英語の学習意欲の有無,そして,実際の学習実行の有無で区分した4群における主観的幸福度を評価した結果,英語学習に対する意欲を持っていないにもかかわらず,実際には学習をする「やらされ」群の主観的幸福度が最も低いことが明らかとなった.
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原田 紗希, 山口 大成, 丸山 浩平, 森本 康彦
2024 年 48 巻 Suppl. 号 p.
197-200
発行日: 2024/12/20
公開日: 2025/02/10
[早期公開] 公開日: 2024/10/07
ジャーナル
フリー
高等学校情報科や大学での数理・データサイエンス・AI教育をはじめプログラミング学習が注目されている.しかし学習者1人ではエラー等のつまずきを解決すること,考えを広げたいときに1人で考えることは難しい.それゆえに,新たに学んだことや成長したことを実感しづらい.そこで,本研究ではプログラミング自己学習方法の開発を目的に,生成AIを用いたペアプログラミング自己学習方法の開発とその効果を検証した.その結果1人でもつまずきを解決し,新たな考えを知りながらプログラミングに取り組め,プログラミングを通した成長を実感できる可能性が示唆された.
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