本研究では,大学の経済学入門科目において,ランダム化比較試験により反転授業の効果を検証した.実践は,2つのクラスに伝統的な形態の授業と反転授業を交互に経験するようデザインされた.反転授業という授業形態が,課題の点数,出席,動画視聴といった中間的な学習指標と小テスト・期末テスト・満足度といった最終的な指標に及ぼす影響をパネルデータによる重回帰分析および媒介分析によって明らかにした.その結果,今回の実践研究では,1) 反転授業が受講生の学習への取り組みを高め,小テストの得点の上昇に効果をもつものの,期末テストに影響を及ぼさないこと,2) 反転授業の効果はグループ学習への積極性と動画視聴を完遂することからくること,3) 全体として反転授業の満足度は伝統的形態よりも低く出たものの,グループ学習に積極的な学生は反転授業の方に満足していることなどが明らかとなった.