2025 年 49 巻 2 号 p. 289-302
本研究では体験型研修に参加した院生がどのようにTEMの概念を理解し,応用できるようになるのかを参加者側の視点から明らかにし,研修の設計要件を検討する.3名の参加院生のリフレクションレポートと指導者への質問文,それに対する指導者のフィードバックを対象として分析した結果,参加院生の学びを深めたプロセスは以下の3つであった.プロセスⅠはインタビュアーとインタビュイーの相互理解の深まり,プロセスⅡは指導者の具体的フィードバックによる参加院生の応用スキルの疑問の解消,プロセスⅢは指導者の具体的でないフィードバックによる参加院生の研究姿勢・意欲の向上であった.院生の省察性を促す観点からTEMの体験型研修の設計要件を抽出した結果,研修要件は,院生の経験を活かした課題設定,インタビュアーとインタビュイーの両方を体験する活動,指導者による明示的指導,指導者によるデータの意味を探究する示唆の4つであった.