2025 年 49 巻 2 号 p. 275-287
本研究は,フォーマルな学習環境に適用されてきた探究の共同体 (Community of Inquiry) をインフォーマルコミュニケーションによる学びの場に適用したデザイン研究である.オンラインではフォーマルな学びは実現可能でも,インフォーマルコミュニケーションによる学びは欠落傾向にある.本研究は探究の共同体に基づきオンライン学会を題材にインフォーマルコミュニケーションによる学びを支援する場の設計・改善を行った.その結果,①場全体での具体的な学習目標や評価がなく,教師不在の環境でも,すべきことを明確に伝え,参加者が実施事項完了を確認するタスクを追加することで教授的存在感を強化できる②自分のゴールを設定し掲示板へ共有するなどの事前課題を課すことで,認知的存在感の認識を高めることができると推察された.最後に,インフォーマルな学習環境設計に活用できる設計指針表を提示する.