本研究は，高校生226名を対象に学業における援助授与・援助要請が成績の自己認知，コンピテンス，学習方略に及ぼす影響について検討した．尺度の検討および分散分析等の結果，学業的援助授与が体制化方略，精緻化方略，メタ認知的方略，コンピテンス，成績の自己認知に関連しており，学業的援助授与を行わない場合であっても学業的援助要請を行うことが体制化方略，精緻化方略，メタ認知的方略と関連していることが示された．また，クラスタ分析の結果，適応的授与および適応的要請が高い群と適応的授与および適応的要請が低い群の２群の存在が示され，適応的授与および適応的要請が高い群は低い群よりも，体制化方略，精緻化方略，メタ認知的方略を行い，コンピテンス，成績の自己認知が高いことが示された．
