海外では成長マインドセットと学業成績の正の関連が実証されているが,国内では研究例が少なく,その関連も実証されていない.また,成長マインドセットはメタ認知方略とペアで捉える必要性が指摘されるが,その必要性を学業成績との関連で調べる研究はほとんどない.本研究では,数学の学習の文脈で,(1) 成長マインドセットが学業成績に影響を与えるか,(2) 学業成績は,成長マインドセットかメタ認知方略のどちらか一方で説明するより,両者をペアにして説明する方が良いか,を検討した.結果,(1) 成長マインドセットが学業成績に有意な正の影響を与え,効果量も大きい,(2) 学業成績は,どちらか一方で説明するより,両者をペアにして説明する方が,決定係数が有意に大きく,その効果量は感度分析で要求される効果量よりも大きい,が示された.成長マインドセットとメタ認知方略をペアにして数学の学習に取り入れることで,学業成績が向上する可能性が示唆された.