日本教育工学会論文誌
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論文
コロナ禍におけるICTの強制的な利用が大学教員の認識と継続利用に与えた影響
田口 真奈高比良 美詠子稲葉 利江子辻 靖彦
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2025 年 49 巻 3 号 p. 449-462

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抄録

本研究はコロナ禍発生前後の特殊な状況に着目し,大学教員の授業におけるICT利用行動と認識の影響関係を明らかにすることを目的とした.具体的には,2020年度のコロナ禍によるICTの強制的な利用がICT利用に対する認識をよりポジティブな方向に変化させたのか,また,その認識はその後のICTの継続的な利用に影響を及ぼしたのかを検討した.研究1では,2006年度と2019~2022年度のICT利用量を比較し,コロナ禍により大学教員のICT利用量が急増したことを確認した.研究2では,2019年度と2020年度に同一の授業科目を担当していた441名を対象に,ICTの利用行動が変わることで,ICT活用効力感が変わるという影響関係が存在する可能性を指摘した.研究3では,2020年度と2022年度に行われた縦断調査に回答した243名に対して交差遅れパネル分析を行い,コロナ禍1年目に形成されたICT利用に対する信念がポジティブであるほど,コロナ禍収束期においてICT利用量が多いことを明らかにした.

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