2025 年 49 巻 3 号 p. 527-537
誤情報発信場面における発信者の罪悪感が対処行動の必要性評価といかに関連しているかについて,批判的思考態度の補償効果に着目して検証した.700名の参加者に対し,SNSでの誤情報発信を想定した仮想場面において,発信者としての罪悪感および対処行動の必要性に対する評価を求めた.変数間の関連を検証した結果,罪悪感および批判的思考態度は対処行動の必要性評価と正の関連にあることが示された.また,罪悪感と批判的思考態度の交互作用効果が認められ,罪悪感を低く評価した参加者において,批判的思考態度が対処行動の必要性評価を高める効果がより高いことが示された.したがって,批判的思考態度は罪悪感を補償する役割を担っており,たとえ罪悪感が低い場合であっても,批判的思考態度を高めることで誤情報発信に対する対処行動が促される可能性が示唆された.