2025 年 49 巻 4 号 p. 751-762
学習者が学習活動を自己決定しながら学ぶ授業では,教師は学習者1人1人の学習状況を把握し,指導や助言を行うことが重要となる.近年,めあてや振り返り等の学習状況をクラウド上のスプレッドシート (以下,「学習シート」と称す) で可視化する試みが見られ,教師は記入された情報をもとに,個別指導に活用している.本研究は,教師が学習状況を把握するための,クラウド上の学習シートの項目と活用の実態を明らかにすることを目的として,学習シートに示される項目と,その活用に関する質問紙調査の分析を行った.結果,15のラベルが付与され,学習者の識別情報,学習の目標,学習の指針,学習の進捗,学習の振り返り,という5つのカテゴリが作成された.学習シートは,教師が必要に応じて項目を設定でき,その上で,学習の目標や振り返りをリアルタイムで把握する機能や,学習の指針や進捗などの動的な学習状況を把握する機能を持つ可能性が示唆された.