「探究的な学習」の質保証という課題に対し,包括的な整理を試みた.すなわち,1970年代以降の汎用的・抽象的能力への注目と,「総合的な学習の時間」の成立,さらには,近年の学習指導要領改訂における探究概念の拡張と,教科との連動,情報活用能力との統合的育成といった新たな方向性である.探究的な学習の質に関しては,多層的な観点からその構成要素を提示するとともに,メタ認知・自己調整・自律性といった高次能力の育成が探究の成果であることを示した.加えて,情報活用能力や生成AIリテラシーと探究プロセスとの相互作用,自己の在り方やエージェンシーの重要性にも言及した.質保証に向けては,オーセンティックな学習活動と省察的なアプローチの統合,探究を支える環境要因,情報活用力・思考力・メタ認知力などの育成などが不可欠であると論じた.最後に,質保証に関わる要因の複雑性について指摘し,今後の研究と実践の方向性を展望した.