論文ID: 48016
本研究では,大学教育における直接・間接評価はそれぞれ何を測っていて,どのように学生像が分類できるかをRQとして検証した.早稲田大学大学総合研究センターが2021年度に実施した学生調査のデータと,教学データとの結合データ(n = 7,454)を用い,直接評価としてGPAを,間接評価として学生調査を用いた.検証の結果,直接・間接評価間には,相関はほとんどみられなかった(r = .07).また両評価間の相関の低さ(ズレ)を説明するうえで,直接評価(GPA)は勤勉性と正の相関があり,一方で間接評価(学生調査)は積極的な授業参加や態度などと正に相関し,不安や悩みと負に相関することがわかった.また間接評価(学生調査)が低い学生は,自身の性格・能力,対人関係,精神の健康や進路・就職に関して,悩みを抱えている傾向にあることが示された.これらの評価を併用し軸として,学生像を4つに類型化した.