論文ID: 48079
本研究は,小学校低学年を担当する教員がどのように1人1台端末の活用を受容していくのか,教員の受容に対して学校での取組の何がどのように影響を与えているのかを明らかにすることを目的とした.そこで事例研究を実施し定性的に分析した.その結果,教員は外在的・内在的影響要因に影響を受けながら,端末活用につながらない教員の捉え方の原因として,低学年特有の原因,低学年であることで生じやすい原因,低学年に限らない原因を抱え,活用に向かっていた.そして,昨年度までの教員自身の経験,教員自身による情報収集,教員間コミュニケーション,児童が活用しやすい教材,授業を公開すること,公開授業に参加すること,という6つの内容やそれらの相互作用によって授業イメージを形成し,授業を実施していた.教員は,児童の活用スキルの高まり,活用の効果を認識し,活用につながらない捉え方の原因の一部を低減させ,活用につながる捉え方を構築していた.