本研究の目的は,省察的実践の『3つの試み』の枠組みから,校内の同僚との授業改善によるスクールミドルの構成主義的指導観への変容プロセスを明らかにすることである.教育評価をテーマとした同僚との授業改善を行い,12名のスクールミドルへのインタビューデータをTEAで分析した結果,指導観変容に至ったプロセスと至らなかったプロセスが明らかになった.さらに指導観変容に至ったプロセスを『3つの試み』の枠組みから考察したところ,授業改善の手応えとそれを実現するための省察をする段階,その省察をもとに授業改善をしてテーマに対する理解とその内容を実現するために必要な改善点について省察する段階,これまでの省察や理解したことを確認しながら授業改善をし,構成主義的指導観に変容する段階を経ていたことが明らかになった.また,指導観変容プロセスの促進・阻害要因への配慮として校内研究の時間確保の重要性などが示唆された.