本研究は教養教育における授業選択理由が授業経験にどのような違いを生じさせるのか,そして授業選択理由や授業経験が教養教育を通じた学修成果にどう影響するのかを検討することを目的とした.大学1~3年生2872名のデータ分析の結果,授業選択理由である「自律的選択」「周囲からの影響」は「アクティブ・ラーニング」「授業意図の明示」の授業経験の多さと関連する一方,「単位取得の容易さ」はそれらの経験の少なさ,「伝統的講義」の経験の多さにつながっていた.学修成果との関連については,授業選択理由では「自律的選択」が全ての学修成果の指標とポジティブに関連しており,重要な要因であることが明らかにされた.授業経験については「アクティブ・ラーニング」だけでなく「授業意図の明示」も学修成果の向上に重要であることが示された.