本研究は,鹿児島県の管理モウソウチク林の生産状況と林分構造の現状を明らかにすることを目的とした。調査として姶良市とさつま町の2カ所の管理モウソウチク林における林分調査と竹林管理者に対する聞き取りを行った。その結果,管理者の高齢化に伴い竹林での重労働が困難になっている一方で,林分調査の結果(平均稈密度3,917本/ha,平均DBH 12.0 cm,新竹率30.6%,稈の一様分布)と施業現状から,対象竹林における管理(密度,施肥および防災管理)は現在も続けていることが考察された。一方で,国内需要の低迷などの影響から,竹材・タケノコの生産量は10年前と比べて顕著に低減していた。このことは調査林分における稈密度が過去より増加したことと一致していたことに裏付けられていると考えられた。今後,竹林は委託管理など新たな管理主体により管理を継続する場合,今までの竹林管理で集積されてきた技術,竹林生産などを参考情報として整理・記録する必要があると考えられる。また,作業がしやすい低密度かつ一様分布という林分の特徴を示す管理竹林を対象とした林業機械の開発と導入が,作業の持続性と省力化を改善する一つの選択肢として検討する価値があると考えられた。