2017 年 54 巻 4 号 p. 279-282
発達障害を取り巻く問題はますます複雑化している.多様な認知特性を本人が受容し周囲が理解することで社会適応が可能になる.就労に関しても同様で,幼少時からの段階的な社会性の獲得ができて就労準備に入ることができる.発達障害は脳の認知機能障害で医療の問題であるが,評価・診断・治療や福祉行政は年齢で分断されてきた.しかし,2015年の発達障害者支援法の改正により年齢による切れ目のない支援体制が可能になった.一方,発達障害者の就労支援制度の充実が図られ発達障害者向けの雇用促進施策が全国的に展開されている.今後は医療・福祉・教育・就労などの各分野が連携して就労および就労定着が可能になり支援が充実することが期待される.