2022 年 78 巻 6 号 p. 608-614
骨X線撮影法に関して,診療放射線技師の諸先輩方によって,さまざまな研究や工夫がされ,その時代のデザインソフトウェアを利用した方法で,イラストやX線画像,写真を利用して,私たちにわかりやすく撮影法を解説し,臨床の場や教育の場を支援してくれている.しかし,骨標本は大学の医学部教育でしか利用できないため,骨X線撮影法の解説には今まで利用されていなかった.そこで,今回われわれは骨X線撮影法の解説に医学部解剖学実習室で使用している骨標本および骨標本を利用して作成した骨標本X線画像を利用することで,骨X線の撮影法を骨標本解剖からも把握できるように支援した「骨標本を利用した骨X線撮影マニュアル」を作成した.これまでの骨X線撮影法では,骨標本と骨標本による骨X線画像による解説はなかったため,この骨標本を利用した骨X線撮影法によって,骨標本から骨の表面形態の確認と骨標本からの骨のX線画像の確認が可能となった.また,この骨標本を利用した骨X線撮影法のデータを電子ファイル化し,電子媒体を通して放射線検査の場や在宅においても容易に利用ができるようにした.