抄録
症例は59歳,女性.黒色便を認めたため近医を受診し,貧血を指摘され消化管出血が疑われた.上下部内視鏡を施行するも,明らかな出血源は同定できず紹介受診となった.小腸内視鏡で上部空腸に30mm大の粘膜下腫瘍を認めGISTが疑われたため,マーキングを施行し腹腔鏡手術の方針とした.腹腔鏡下に観察すると点墨のために腫瘍部位の同定は容易であり小開腹創から小腸部分切除術を施行した.病理結果はlow grade GISTの診断であった.小腸原発のGISTに対して,術前の小腸内視鏡は腹腔鏡下手術時において正確な診断と適切な治療法のために非常に有用である.